ああ、見えるだろうか、恐ろしくありふれていてやるせない、荒野が又見える。私はなすすべもなくへなへなと座り込んでしまう、自尊心で購入したひどく高価な服に身を包んでようやく開けられるようになった私の両眼は、再び無益と非生産に閉じられてしまおうとしている。この帽子のせいで眼はひどくちらちらするし、かつらのせいで耳はほとんど聞こえないし、何も、この大きな道程を前にして、希望となる道具はないのだ。感覚はなく、まるで死を背負っているかのようだ。生き死にしたようなものだ。
でも、聞けよ、おまえ、もういまでは、
私は裸を荒野にさらすのを厭わない。
たとえ、ひどく言い古された手垢だらけの言い草だろうが、言ってやる。
私は裸を荒野にさらすのを厭うことはもうない。
おまえは、私が非生産と怠惰の海へと乗り出そうとするのを目前にして、ひどく利他的な涙を流すことだろう。それでもわたしはこう言う。
私は裸を荒野にさらすのを厭わない。
くそっ、わたしは一体何枚の服を厚着してやがるんだ、ちきしょうめ! でも、まっとけ、
私は裸を荒野にさらすのを厭わない。
私は雑踏を歩いていた。私はそこの至る所に荒野が潜んでいるのを見出した。私がヒゲソリをするとき、鏡の向こうにやはり荒野が潜んでいるのを見出す。そこではひどく痛いだろう、ただひどく痛いということは分かる、石が裸の全身を打ち、熱は高まりつつ肌を焦がすことだろう。
だが、私は裸を荒野にさらすのを厭わない。
人は私をとても奇特な変人と呼ぶだろう。それなら、私は自分のことをひどく奇特な変人であると思い込もう。
私は裸を荒野にさらすのを厭わないから。
私は一回だけお前を荒野で見た。お前は、荒野でこっそりと、盲人に石を投げていた。それでもわたしは打たれに行こう。
私は裸を荒野にさらすのを厭わない。
仮定しよう。私は荒野の前にただ一人である。仮定しよう。お前も又荒野の中の加害者である。仮定しよう。世界中の人間は荒野の中の加害者である。仮定しよう。私は荒野を見ている。帰結しよう。私は荒野にはいない。
私は裸を荒野にさらすのを厭わない。
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