2010年4月20日火曜日

交換手さん、こいつをお願いします

 私の幼馴染のSが酔っ払っている。堅物で有名でちょっと信じられない。
 今、ちいさい子供がよくやるように私と眼を合わせては隠れるということを繰り返している。どんな誘惑だろうか?
「ねぇ、Mくん、石川主任とは結婚したことあるけ?」
「あぁ? 石川主任? 結婚? あるはずないでしょ?」私は驚いた。「誰? それ」
「・・・・・・石川主任はね? たくさんのおとこと結婚しているんだよ?」
してやったりという顔で私を見上げた。私の耳にはその表情はかたや私は生涯独身と聞こえた気がした。
「いや知らないよ、そんな人」と私は答えながら私自身酔いが回って「早くすませちゃいな」という感じで身を任せつつあるSにキスをして身体中を触っている。まるで石みたいだった。水気が無くって苦しそうだった。処女かもしれない、と思ってSとひとつになろうとしたが、身体が絡まって身動きが取れなくなった。私は、「ねえ、キスをしてよ」と言ってSをぎゅっとしてキスをした。「かいしょうなしのM」とSはつぶやいた・・・・・・
 故郷に残している幼馴染のSに会いに行ったとき、私とSが座って黙っているのを見ている仲間がこう言った。
「・・・・・・あんたたちさっきから全然しゃべらないけどもしかして好きあってんの?」
 私とSはビクリとする。
「もしかして一度話してしまえばとめどなく気持ちがあふれるから黙ってんの?」
 そしてそいつはこう叫んだ。「ありえない!」
 怒って仲間の一人が入り込んできた。「何でこんなことやってんの? 本当に?」
 その後私とSは二人きりにさせられ、そしてお酒を掻き込み始めた。
 壁がそこにはあった。宗教的なおきて。かいしょうなしのわたし。

0 件のコメント:

コメントを投稿