19、32年、グリンランド東部
おれは水だ、はたからみるとときには生きているようにも見えるがな。おれはすべてを自分のせいにしなければ生きてゆけないのだ、まるで赤ん坊のようにな。おれはまるで自殺前のヒトラーのように前進してゆかなければいけない、いましも指根っこを引っこ抜きたくなりながらな。おれは自分自身を時計のように見ている。おれは他人が計れないのだ、だからおまえらがいうとおりに生きていけるはずがなかろう。おれはいつも自分自身の分身に責任を負って苦しんでいた、いつもだ。おれは夢をもっていたのだ。しかし今はもう、それでさえも分裂しつつある。いい意味にも、逆の意味にもな。
おれはそれでも大衆を捨てて、ラスムッセンとしてチューレを後にし、自分の足跡を消すべきだろう。そうしなければいくら暗い墓場のうちとはいえ、昔あの婚約者がそれで跳ねて宇宙に行ったあのトランポリンで、自分というおれ(?)をつねに削り取って、削り取って、そうして鋭く厳しい弾丸となってかけずりまわりさえもできないだろうからな。
おれは比喩がもったいない。文がもったいない。1文字でそれはおれを越える。おれは実を言うと何物でもありえない。おれは無口だ。この口述もおれがおれの過去をすこし盗み見したそれだけのことなのだ。おれはその罪によってもう歩かないだろうしもう橇にも乗らない。 ああああ、犬たちはもうどこかに行ってしまった!
デンマークの国民へ
あるいは無二の友ピーターへ
おれはすこし自暴自棄になりすぎた、旅ではないがな
口が動か な い ・・・ ・
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